硬質金メッキの膜厚実測データ|3仕様・72点測定・膜厚ばらつきを公開

硬質金メッキの膜厚実測データ|3仕様・72点測定・膜厚ばらつきを公開

金メッキでは、用途や要求性能に応じて0.05μm程度の薄膜から1μm以上の厚付けまで、さまざまな膜厚仕様が採用されます。株式会社コダマでは、実際の硬質金メッキ加工における膜厚のばらつきを確認するため、銅素材のサンプルについて、0.05μm以上、0.5~0.8μm、1.0μm以上の3種類の仕様で膜厚測定を行いました。各仕様24個、合計72点を測定し、最小値・最大値・平均値・標準偏差を算出しました。

硬質金メッキ 膜厚ばらつき確認
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硬質金メッキ膜厚測定の試験条件

項目 試験条件
メッキ種類 硬質金メッキ
素材
製品寸法 15×15×t2mm
膜厚仕様① 0.05μm以上
膜厚仕様② 0.5~0.8μm
膜厚仕様③ 1.0μm以上
サンプル数 各24個
総測定数 72点
蛍光X線膜厚測定器  フィッシャー社 XDAL-FD

※本データは特定の製品・加工条件での実加工結果です。素材、形状、寸法、治具、電流密度、処理時間などによって膜厚分布は異なります。

硬質金メッキ3仕様の膜厚測定結果

膜厚仕様 測定数 最小膜厚 最大膜厚 平均膜厚 標準偏差
0.05μm以上 24点 0.06μm 0.09μm 0.0683μm 0.0094μm
0.5~0.8μm 24点 0.55μm 0.66μm 0.6175μm 0.0341μm
1.0μm以上 24点 1.17μm 1.26μm 1.2121μm 0.0253μm

今回の測定では、3種類すべての仕様で24点すべてが要求膜厚を満たしました。

金メッキ膜厚0.05μm以上仕様の実測データ

No. 測定値(μm) No. 測定値(μm)
1 0.08 13 0.06
2 0.07 14 0.06
3 0.07 15 0.06
4 0.06 16 0.06
5 0.07 17 0.07
6 0.07 18 0.07
7 0.06 19 0.07
8 0.06 20 0.08
9 0.06 21 0.07
10 0.06 22 0.08
11 0.06 23 0.09
12 0.06 24 0.09

最小0.06μm、最大0.09μm、平均0.0683μm、標準偏差0.0094μmとなりました。今回の24点では、すべての測定値が要求仕様である0.05μm以上を満たしています。

金メッキ膜厚0.5~0.8μm仕様の実測データ

No. 測定値(μm) No. 測定値(μm)
1 0.60 13 0.65
2 0.55 14 0.63
3 0.58 15 0.62
4 0.56 16 0.63
5 0.57 17 0.61
6 0.56 18 0.63
7 0.58 19 0.64
8 0.59 20 0.64
9 0.65 21 0.65
10 0.63 22 0.64
11 0.64 23 0.65
12 0.66 24 0.66

最小0.55μm、最大0.66μm、平均0.6175μm、標準偏差0.0341μmとなりました。24点すべてが規格0.5~0.8μmの範囲内でした。

0.5~0.8μm仕様の工程能力

項目 結果
規格下限 0.50μm
規格上限 0.80μm
平均 0.6175μm
標準偏差 0.0341μm
Cp 1.47
Cpk 1.15
規格内率 100%(24/24点)

今回の測定データではCp=1.47、Cpk=1.15となりました。Cpは規格幅に対するばらつきの大きさを示し、Cpkは平均値が規格中心からどの程度偏っているかも含めて評価する指標です。今回の平均膜厚は0.6175μmで、規格中心0.65μmよりやや下側に位置しています。そのため、Cpに対してCpkは低い値となっています。

金メッキ膜厚1.0μm以上仕様の実測データ

No. 測定値(μm) No. 測定値(μm)
1 1.24 13 1.19
2 1.23 14 1.20
3 1.22 15 1.20
4 1.21 16 1.21
5 1.19 17 1.22
6 1.18 18 1.21
7 1.19 19 1.22
8 1.17 20 1.24
9 1.19 21 1.25
10 1.18 22 1.25
11 1.19 23 1.25
12 1.20 24 1.26

最小1.17μm、最大1.26μm、平均1.2121μm、標準偏差0.0253μmとなりました。今回測定した24点は、すべて要求仕様である1.0μm以上を満たしています。

金メッキの膜厚管理では平均値だけでなくばらつきの確認が重要

電気金メッキでは、製品形状、治具、電流密度、処理時間などによって膜厚に差が生じる場合があります。特に金メッキは貴金属を使用するため、必要以上に厚くすると材料コストが増加します。一方で、薄すぎる場合は要求される耐摩耗性、接触特性、耐食性などを満たせない可能性があります。そのため、単に要求膜厚を満たすだけではなく、最小膜厚、最大膜厚、平均膜厚、標準偏差、必要に応じた工程能力を確認し、膜厚分布を管理することが重要です。

今回の硬質金メッキ膜厚測定結果まとめ

仕様 結果
素材
製品寸法 15×15×2mm
メッキ種類 硬質金メッキ
膜厚仕様 0.05μm以上/0.5~0.8μm/1.0μm以上
測定数 各24点、合計72点
0.05μm以上仕様 0.06~0.09μm、平均0.0683μm
0.5~0.8μm仕様 0.55~0.66μm、平均0.6175μm
1.0μm以上仕様 1.17~1.26μm、平均1.2121μm
規格適合 72点すべて要求仕様を満足

硬質金メッキの膜厚についてよくある質問

硬質金メッキの膜厚はどの程度まで管理できますか?

必要な膜厚は用途、製品形状、要求性能、膜厚公差などによって異なります。図面や仕様をご確認のうえ、個別にご相談ください。

0.05μm程度の薄い金メッキでも管理できますか?

今回の実測例では、0.05μm以上の仕様に対して24点を測定し、0.06~0.09μmの範囲となりました。実際に対応可能な条件は製品形状や仕様によって異なります。

厚付け金メッキにも対応できますか?

今回の実測例では1.0μm以上仕様について24点を測定し、1.17~1.26μmとなりました。さらに厚い金メッキについても、製品形状や要求仕様を確認したうえで検討します。純金メッキでは、10μm以上の加工実績もございます。

なぜ金メッキの膜厚ばらつき管理が重要ですか?

金メッキは膜厚が厚くなるほど金使用量が増えるため、コストへの影響が大きくなります。一方、必要膜厚を下回ると要求性能を満たせない可能性があります。そのため、平均値だけでなく最小値・最大値・ばらつきを管理することが重要です。

硬質金メッキの膜厚管理・量産加工についてご相談ください

株式会社コダマでは、硬質金メッキをはじめ、純金メッキ、部分金メッキなどの試作・量産加工に対応しています。指定膜厚での加工、膜厚公差、膜厚ばらつき、金使用量の最適化などについても、製品図面・素材・形状・数量・用途を確認したうえで検討いたします。本ページに掲載している数値は、株式会社コダマが実加工したサンプルを測定した実績データです。特定条件における測定結果であり、すべての製品・材質・加工条件で同じ結果を保証するものではありません。

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この記事の技術監修者:株式会社コダマ 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上

金メッキの記事の技術監修者 特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

 

株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘
特級めっき技能士

めっき加工の実務経験は30年以上。金メッキ、銀メッキ、スズメッキを中心とした工業用表面処理について、加工条件の検討、品質管理、不具合対策、技術相談に携わってきました。

大学卒業後、電子部品のめっき加工を得意とする東京都内のめっきメーカーで、金・銀・スズ・ニッケル・銅メッキの加工技術と品質管理を学びました。その後、株式会社コダマにて、製造現場、品質保証、営業、技術提案を経験しています。

金メッキでは、純金メッキと硬質金メッキの選定、下地メッキ、膜厚管理、部分メッキ、マスキング、難素材への加工などについて、お客様の用途と要求性能を確認したうえで仕様をご提案しています。

保有資格

  • 特級めっき技能士 ・ 毒物劇物取扱責任者 ・公害防止管理者 水質関係第2種

主な専門分野

  • 工業用金メッキ、銀メッキ、スズメッキ
  • 純金メッキと硬質金メッキの仕様選定
  • 金メッキの膜厚管理と品質安定化
  • 部分メッキ、マスキング、専用治具の検討
  • ステンレス、チタンなど難素材へのメッキ
  • メッキ不良の原因調査と改善提案

本ページでは、硬質金メッキの膜厚について、膜厚実測データ3仕様・72点測定・膜厚ばらつきを確認・監修しています。

最終確認日:2026年8月5日

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