メッキのJIS記号一覧|図面表記の読み方とEp・ELp・Ni・Au・Ag・Snの意味

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めっきミニ講座 メッキのJIS記号
めっきミニ講座 メッキのJIS記号

図面の表面処理欄に「Ep-Cu/Ni 5b, Au 0.1」「Ep-Fe/Zn 15/CM2:B」などの記号が書かれていて、意味が分からず困ったことはありませんか。メッキのJIS記号は、めっき方法、素材、下地メッキ、上層メッキ、膜厚、後処理、使用環境を表すための図面表記です。このページでは、メッキ加工の現場でよく使われるEp・ELp・Fe・Cu・Ni・Au・Ag・Sn・Zn・CM1・CM2などの意味を、実際の図面表記例とあわせて分かりやすく解説します。図面や仕様書のメッキ記号が分からない場合は、株式会社コダマへお気軽にご相談ください。  図面・仕様書をもとに相談したい方はこちら

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メッキのJIS記号とは

メッキのJIS記号とは、製品図面や仕様書でメッキ加工の内容を示すための表記です。記号を見ることで、メッキ方法、素地の種類、下地メッキ、上層メッキ、膜厚、後処理、使用環境などを確認できます。

たとえば「Ep-Cu/Ni 5b, Au 0.1」と記載されている場合、電気メッキで、銅素地に光沢ニッケルを5μm以上、その上に金メッキを0.1μm以上加工するという意味になります。

メッキ記号の基本構成

メッキのJIS記号は、一般的に「メッキ方法-素地の種類/メッキの種類・膜厚・後処理・使用環境」の順に表されます。図面に記載された記号を正しく読むことで、必要な表面処理の仕様を確認しやすくなります。

図面のメッキ記号が分からない場合は、お問合せフォームからご相談ください

電気メッキ 鉄素材に光沢ニッケルメッキ 後処理 光沢クロメート 腐食性の強い屋外

メッキを表す記号 

①電気メッキ Ep、無電解メッキ ELp

素地の種類を表す記号

②鉄鋼 Fe、銅・銅合金 Cu、亜鉛合金 Zn、アルミニウム・アルミニウム合金 Al、マグネシウムMg、プラスチックPL、セラミックCE

メッキの種類を表す記号

③ニッケル Ni、クロム Cr、銅 Cu、亜鉛 Zn、金 Au、銀 Ag、錫 Sn、工業用クロム ICr

メッキの厚さを表す記号

④0.1、5、10、20、40

メッキのタイプを表す記号

⑤光沢 b、半光沢 s、無光沢m、複合メッキcp、黒色メッキbk、二層ニッケル d、三層ニッケル t、

メッキの後処理を表す記号

⑥光沢クロメート CM1、有色クロメート CM2、水素除去のベーキングHB、変色防止AT、塗装PA

使用環境を表す記号(表記されていない場合も多い)

⑦腐食性の強い屋外 A、通常の屋外 B、湿気の高い屋内 C、通常の屋内 D

 

メッキのJIS記号 例1

Ep-Cu/ Ni 5b, Au 0.1

電気メッキ、銅素地の製品に下地メッキとして、光沢ニッケル5μm以上加工し、上層のメッキとして金メッキ0.1μm以上加工する

金メッキのJIS記号や膜厚でお困りの方はこちらをご覧ください

メッキのJIS記号 例2

Ep-Al/ELp-Ni 5, Sn 5

最終メッキが電気メッキ アルミ素地の製品に、下地メッキとして、無電解ニッケル5μm以上加工し、上層のメッキとして錫メッキ5μm以上加工する

メッキのJIS記号 例3

Ep-Fe/Cu 20, Ni 25b, Cr 0.1r/:A

電気メッキ、鉄鋼素地の製品に、下地メッキとして、銅メッキ20μ以上、中間のメッキとして光沢ニッケルめっき25μ以上、上層のメッキとして普通クロムメッキ0.1μ以上加工する、製品は腐食性の高い屋外での使用する

メッキのJIS記号 例4

Ep-Fe/Zn 15/CM 2:B

電気メッキ、鉄鋼素地の製品に、亜鉛メッキ15μ以上加工し、後処理として有色クロメート処理を加工する。製品は通常の屋外での使用する

メッキのJIS記号 例5

Ep-Cu/Ni 5b, Cr 0.1

電気メッキ、銅合金素地の製品に、下地メッキとして光沢ニッケルメッキ5μ以上加工し、上層のメッキとして普通クロムメッキ0.1μ以上加工する

メッキのJIS記号 例6

Ep-Fe/ELp-Ni 15b, ICr 20

最終メッキが電気メッキ、鉄鋼素地の製品に、下地メッキとして無電解ニッケルメッキ15μ以上加工して、上層のメッキとして工業用クロムメッキ20μ以上加工する

メッキのJIS記号 例7

Ep-Al/Cu 10, Ni 10b, Cr 0.1

電気メッキ、アルミニウム合金素地の製品に、下地メッキとして銅メッキ10μ以上加工して、中間のメッキとして光沢ニッケル10μ以上加工して、上層のメッキとして普通クロムメッキ0.1μ以上加工する。

各種メッキのJIS記号

金メッキのJIS記号での表し方と呼び方

[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類 膜厚], [上層のメッキの種類 膜厚]

例1、  Ep-Cu / Nib5、 Au0.3 

電気めっきー素地の種類(銅素地)/ 下地めっきの光沢ニッケル5μm、上層の金メッキ 膜厚0.3μm以上

例2、 Ep-Al  / ELp-Ni 15, Au 1

最終めっきが電気めっき、素地の種類(アルミ素地)/ 無電解ニッケルめっき15μ以上、上層の金メッキ 膜厚1μm以上

E-Au : 工業用金及び金合金めっき  D-Au : 装飾用金及び金合金めっき

金メッキのJIS規格 工業用金及び金合金メッキ H8620-1993・ 装飾用金および金合金メッキ H8622-1993

金メッキ加工(硬質金・純金メッキ)については金メッキ加工のページで詳しく紹介しています

 

銀メッキのjis記号での表し方と呼び方

[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類 膜厚], [上層のメッキの種類 膜厚]

銀メッキの導電性・接点用途については、銀メッキ加工ページで詳しく紹介しています

銀メッキのJIS記号の表し方 例

Ep ー Cu / Nib3、 Agb10

電気メッキー素地の種類(銅素地)/ 下地メッキの光沢ニッケル3μm、上層の光沢銀メッキ 膜厚10μm以上

Ep-Al /ELp-Ni 3,  Agm 8

最終めっきが電気めっき、素地の種類(アルミ素地)/ 無電解ニッケルメッキ3μ以上、上層の無光沢銀メッキ 膜厚8μm以上

Ep - Fe /Ni 3m, E-Ag(99.9) 30

電気めっきー素地の種類(SUS素地)/下地メッキの無光沢ニッケル3μm、工業用銀メッキ 銀含有率99.9% 膜厚30μm

E-Ag :工業用銀メッキ

D-3Ag :装飾用銀メッキ

銀メッキのJIS規格 工業用銀メッキ H8621-1993・装飾用銀メッキ H8623-1993

銀メッキの等級での膜厚 表示 (装飾用 銀メッキ)

1級:0.5μm 2級:1μm 3級:3μm 4級:5μm 5級:10μm 6級:15μm 7級:20μm 8級:30μm 9級:50μm

銀メッキのタイプ及びその記号・後処理を表す記号

銀めっきのタイプ及びその記号

光沢めっき  b
半光沢めっき s
無光沢めっき m

後処理を表す記号

変色防止処理 AT

錫メッキ(スズメッキ)のjis記号での表し方と呼び方 電気すずめっき:JIS H 8619:1999

[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類 膜厚], [上層のメッキの種類 膜厚]

スズメッキのはんだ付け性や端子用途については、スズメッキ加工ページをご覧ください

EpーCu / Ni1、Sn5

電気めっきー素地の種類(銅素地)/ 下地めっきのニッケル1μm以上、上層の錫メッキ 膜厚5μm以上 

EpーAl / Elp-Ni5、Sn8

最終めっきが電気めっき、素地の種類(アルミ素地)/ 無電解ニッケルめっき5μm以上、上層の錫メッキ 膜厚8μm以上

 

錫メッキ加工(スズメッキ)の等級及び最小厚さ

等級 めっき最小厚さ(μm)
1級 3
2級 5
3級 10
4級 15
5級 30

錫メッキ加工(スズメッキ)のタイプ及びその記号・後処理を表す記号

スズメッキのタイプ及びその記号

光沢めっき  b
半光沢めっき s
無光沢めっき m

後処理を表す記号

変色防止処理 AT

ニッケルメッキの等級とJIS記号

柔軟性のあるニッケルメッキについては、無光沢ニッケルメッキ加工のページをご覧ください

素材:銅及び銅合金   

Ep-Cu/Ni3b 又はEp-Cu/Nib〔1〕

 

硬質クロムメッキのJIS記号での表し方と呼び方

[メッキ法の種類]-[素地の種類]/[下地メッキの種類 膜厚], [上層のメッキの種類 膜厚]

例1、 Ep - Fe / ICR10 
電気めっきー素地の種類(鉄素地)/ 硬質クロムメッキ 膜厚10μm以上
例2、 Ep - Fe/ ICr10 /1BF, 2BF
電気めっき、素地の種類(鉄素地)/ 硬質クロムメッキ10μm以上 メッキ前のバフ仕上げ、メッキ後のバフ仕上げ

前処理・後処理を表すJIS記号  

バフ仕上げ(めっき前):1BF (めっき後):2BF

ブラスト仕上げ(めっき前):1SB(めっき後):2SB

グラインダ加工(めっき前):1G HB:水素除去のベーキング

硬質クロムメッキのJIS規格 工業用クロムメッキ H8615

図面のメッキ記号が分からない場合は、お問合せフォームからご相談ください

項目 JISでの考え方
規格番号 JIS H 8615
規格名称 工業用クロムめっき
英文名称 Electroplated coatings of chromium for engineering purposes
対象 鉄・鋼および非鉄金属素地への工業用途の電気クロムめっき
主用途 耐摩耗、摺動、寸法補正、寿命向上など
硬さ 原則 ビッカース硬さ 750 HV以上
めっき厚さ 用途に応じて受渡当事者間で協定
表面粗さ 必要な場合、受渡当事者間で協定
密着性 はく離・膨れがないこと
耐摩耗性 必要に応じて仕様を協定
耐食性 必要に応じて仕様を協定

 

 

 

 

EpとELpの違い

メッキのJIS記号でよく使われる「Ep」は電気メッキを表します。電気メッキは、電気を流して金属皮膜を析出させる方法で、金メッキ、銀メッキ、銅メッキ、ニッケルメッキ、スズメッキなどで広く使われます。

一方、「ELp」は無電解メッキを表します。無電解メッキは、電気を使わず化学反応によって金属皮膜を析出させる方法です。複雑形状や内面、寸法精度が必要な部品では、無電解ニッケルメッキが選ばれることがあります。

図面に「Ep」と書かれているか、「ELp」と書かれているかによって、加工方法や膜厚の付き方、対応できる素材が変わるため、見積りや加工前に確認が必要です。

 

 図面指示でトラブルになりやすいポイント

メッキ記号が図面に書かれていても、実際の加工では確認が必要な場合があります。特に、膜厚をどの部分で保証するのか、有効面はどこか、下地メッキが必要か、変色防止処理やベーキング処理が必要か、マスキング範囲はどこかによって、加工方法や価格が変わります。

また、金メッキや銀メッキ、スズメッキでは、導電性、はんだ付け性、接点用途、耐食性など、目的によって適切な膜厚や下地メッキが異なります。

図面表記だけで判断が難しい場合は、図面・仕様書・使用環境・必要な機能を確認したうえで、メッキ仕様を決めることが重要です。

 

メッキのJIS記号に関するよくある質問

Q. Epとは何ですか?
Epは電気メッキを表す記号です。電気を流して金属皮膜を形成するメッキ方法を意味します。

 Q. ELpとは何ですか?
ELpは無電解メッキを表す記号です。電気を使わず、化学反応によって金属皮膜を形成するメッキ方法を意味します。

 Q. Ni・Au・Ag・Snは何のメッキですか?
Niはニッケルメッキ、Auは金メッキ、Agは銀メッキ、Snはスズメッキを表します。

Q. メッキ記号の数字は何を表しますか?
数字は一般的に膜厚を表し、μm単位で示されます。たとえば「Ni 5」はニッケルメッキ5μm以上を意味します。

Q. bやmは何を表しますか?
bは光沢、mは無光沢を表します。たとえば「Ni 5b」は光沢ニッケルメッキ5μm以上という意味です。

Q. CM1・CM2とは何ですか?
CM1は光沢クロメート、CM2は有色クロメートなど、亜鉛メッキ後のクロメート処理を表す記号です。

 Q. 図面のメッキ記号が正しいか確認してもらえますか?
はい。図面や仕様書をもとに、メッキ種類、膜厚、下地メッキ、後処理、使用環境を確認し、加工可否や注意点をご提案できます。

この記事の技術監修者:株式会社コダマ 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上

メッキ加工のJIS記号の技術監修者 特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

 

株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘
特級めっき技能士

めっき加工の実務経験は30年以上。金メッキ、銀メッキ、スズメッキを中心とした工業用表面処理について、加工条件の検討、品質管理、不具合対策、技術相談に携わってきました。

大学卒業後、電子部品のめっき加工を得意とする東京都内のめっきメーカーで、金・銀・スズ・ニッケル・銅メッキの加工技術と品質管理を学びました。その後、株式会社コダマにて、製造現場、品質保証、営業、技術提案を経験しています。

保有資格

  • 特級めっき技能士 ・ 毒物劇物取扱責任者 ・ 公害防止管理者 水質関係第2種

主な専門分野

  • メッキ剥離・ふくれ・未着の原因調査・密着不良対策
  • 品質管理 前処理工程と下地メッキの工程表の作成
  • ステンレス、アルミ、ダイカストなど難素材へのメッキ

本ページでは、メッキ加工のJIS記号を確認・監修しています。

最終確認日:2026年8月3日

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