コダマの得意技術は、マスキング部分メッキ法です。レジストマスキング法を駆使した精密な部分メッキ加工、高速部分メッキ加工(筆メッキ)、テーピングや手塗り樹脂コーティング法による部分メッキ加工など用途や精度に応じた様々な部分メッキ加工の技術がございます。部分メッキ加工なら、ぜひ、コダマにご相談ください。
部分メッキとは
製品の必要なポイントにだけ加工するメッキ方法のことをいいます。メッキされた部分にだけ、特定の機能を持たせることが出来るのがメリットになります。メッキ方法は、メッキしたい部分のみをメッキ液に浸漬する浸漬部分メッキ法、メッキをつけたくない場所は、事前にマスキング処理をして全面浸漬する マスキング部分メッキ法があります。
部分メッキの技術力
レジストマスキング法を駆使した精密な部分メッキ加工
レジストマスキング法とは レジスト塗布装置、露光装置などを使用して、製品に重ねたマスターマスクに光を照射させ、製品にマスクパターンを転写させて回路パターンや配線を正確に形成することが可能です。スパージャー方式の部分メッキと比較するとメッキ部とマスキング部の境界面の解像性、精度が良く部分メッキが出来ます。
短冊(バッジ式)のリードフレームの精密部分メッキ加工事例
基板の部分メッキ技術(左:SUS素材→右:金メッキ) |
パターン部分メッキ:部分金メッキ(アルミ素材:ニッケル下地の金メッキ) |
レジストマスキング部分メッキ加工プロセス
1 レジスト塗布装置
レジスト塗布装置とは基板など目的の製品の表面にレジスト材を塗布するための装置です。メッキ加工しない部分へレジスト材を塗布します。
2 露光工程ー現像工程
露光装置とは、製品とマスターマスクに光を照射させて、製品に回路パターンや配線を精密に転写させることが可能です。
3 メッキ工程の後、レジスト材を剥離して乾燥工程でメッキが完成
対応素材とメッキ種対応可能な製品の形状とサイズ
板形状 サイズ250×250以内
材質 | 下地メッキ | 仕上げメッキ |
銅・銅合金 | 銅・ニッケル・無電解ニッケル・金 | 金・銀・錫 |
ステンレス(SUS304・SUS420J2)など | ニッケル・無電解ニッケル・金 | 金・銀・錫 |
アルミ(A5052)など | ニッケル・無電解ニッケル | 金・銀・錫 |
高速部分メッキ加工(筆メッキ)
高速部分メッキ加工とは
メッキ工具(布を巻き付けた陽極)にメッキ液を吸収させてメッキ液を流しながら製品の表面を動かしながらメッキをする手法です。一般的なメッキで使用するメッキ槽を使用しないで電気メッキを行います。持ち運び可能な設備であり、ポータブルプロセスのため、移動や分解が困難な固定製品にもメッキすることが出来ます。
メッキ加工する金属は電極に取り付けた専用ガーゼに含ませた高濃度メッキ液から析出されます。メッキ皮膜は高い密着性があり、微細な結晶構造で、密着力が高く、内部応力が低いのが特長です。曲げ、加熱、急冷にも強く剥離しません。電着肉盛することも可能です。専用整流器、メッキ工具、メッキ液で構成され、マスキングして、指定ポイントに施工することができます。
筆メッキ加工は、部分メッキなら、製品サイズに影響を受けません。長尺製品の部分メッキに最適で2mや3mを超える長尺物のブスバーの両端のみの部分メッキ加工なども可能です。
14種類の金属のメッキ加工が可能:全て受注生産
金メッキ | 銀メッキ | 錫メッキ |
白金メッキ | ロジウムメッキ | クロムメッキ |
亜鉛メッキ | ニッケルメッキ | 銅メッキ |
カドミメッキ | インジウムメッキ | コバルトメッキ |
ニッケルーコバルト | ニッケルータングステン |
活用用途
- 大型製品の部分メッキ
- 製品の内径、外径平坦面の部分メッキ
- 摩耗やキズ部の補修・リペアなど
高速部分メッキの加工工程(アルミ素材)
|
- 予備脱脂(油や汚れを除去)
- エッチング(酸化被膜などを除去)
- 電解脱脂(多量のガスの圧力で汚れを除去)
- エッチング(密着力を高める凹凸を素材につけます)
- 活性化(メッキ前に素材を活性化させます)
- めっき
- 乾燥
テーピング、手塗り樹脂コーティング法による部分メッキ
熟練のマスキング技術者が1点ずつ、テーピング法や樹脂コーティング法を駆使してマスキング処理を実施します。テーピング法は、ビニール系、鉛やアルミなどの金属系などのマスキングテープを使用して、用途やメッキ種によって使い分けてマスキング処理をします。樹脂コーティング法によるマスキング材料にはゴム系、樹脂系などがあり、ハケ塗り、浸漬(ディップ)などによりマスキング処理をします。2種類のメッキをする2色メッキのような高度なメッキ加工の独自技術を保持しています。