メッキの品質不良 光沢ムラ・くもりの原因と対策
メッキ加工において、皮膜表面の光沢ムラやくもりが発生する品質不良が多い。原因は素材の影響、前処理工程の影響、メッキ析出工程での影響、後処理工程での影響など多岐にわたる。光沢ムラとは、外観表面全体が均一ではなく、メッキ加工表面に光沢がある部分と光沢が少ない部分が混在している製品をいいます。くもりとは、外観表面にくもった部分が発生している製品をいいます。
錫メッキ加工(素材 銅板)のハルセル試験 左側 光沢範囲→右側にいくと白くなり、光沢がなくなっていく
素材影響での要因
支給された製品に切削加工のムラや熱処理加工による熱処理ムラがあり、メッキ前処理でそのムラが除去できなかった場合にメッキの光沢ムラやくもりとして生じる場合がある。
前処理工程での影響の要因
メッキの前処理工程で、脱脂洗浄不足から、次のエッチング処理でエッチングムラが生じて、メッキのくもりとして生じる場合がある。この場合はメッキ膜厚を増加させるとくもりの程度が改善されたり、手直し加工(剥離再メッキ加工)をすると改善される可能性が高い。脱脂洗浄後に水濡れ性を確認して発生を予防する必要がある。
自動機の生産ラインでの影響の要因
季節によってみられる流れ模様のくもりが発生する場合がある。自動機での空中移動時間が遅いのが影響している場合がある。空中移動時間を手動で素早く行うと解決することがある。
参考文献 めっき加工のツボとコツ Q&A 星野芳明 著