メッキ表面にザラつき・ブツ・異物付着が発生する原因と対策

メッキ表面のザラつきや突起は、メッキ液中の異物や金属微粒子が皮膜に取り込まれるほか、前処理不良、メッキ液の自己分解、電流集中による異常析出などによって発生します。外観不良だけでなく、寸法精度、摺動性、接触性能、後工程の加工品質に影響する場合があるため、発生位置や形状を確認し、原因に応じた対策を行うことが重要です。

ニッケルメッキ加工 内面 異物付着 20倍拡大画像
ニッケルメッキ加工 内面 異物付着 20倍拡大画像
呼び方 主な状態 代表的な原因
ザラ・ブツ 表面に細かな突起がある 異物、スライム、金属微粒子の巻き込み
異物付着 皮膜内または表面に異物が残る 研磨粉、バリ、ほこり、槽内異物
花咲き 角部や先端部に樹枝状の突起ができる 電流集中、過大な電流密度
コゲ 高電流部が黒っぽく粗くなる 電流密度過大、金属イオン不足など
素材由来の凹凸 メッキ後も表面が粗い バリ、キズ、巣穴、素材肌

メッキのザラ・ブツ・異物付着の原因調査を相談する

不良写真、素材、メッキの種類、膜厚、発生位置、発生数量をご連絡ください。再加工の可否と改善方法を検討します。

コダマのTEL06-6752-0001・FAX06-6752-0002

症状別の原因判定表

発生状況 考えられる原因 主な対策
同一ロット全体に、製品全面に細かなザラ 液中微粒子、ろ過不足 ろ過、槽清掃、液管理
発生位置に偏り、一部だけに異物が付く 製品への汚れ付着 前処理、投入前検査
角や先端に集中して発生 電流集中 電流密度、治具、遮蔽
特定の製品だけに出る バリ、研磨粉、素材不良 バリ取り、洗浄、素材改善
時間とともに増える 浴の老化、槽壁析出 液更新、槽清掃
アルミ材で発生する 材質・合金系統スマット残り 前処理不良デスマット条件の適正化

メッキのザラ・異物付着とは

メッキのザラとは、メッキ液中に浮遊している金属微粒子、汚れ、スライムなどが、メッキ析出時に皮膜へ取り込まれることで発生する小さな突起です。主な原因には、次のようなものがあります。メッキ方法によって、発生原因や対策は異なります。

  • メッキ液中のスライムや金属微粒子や製品に付着した汚れの持ち込み
  • 浴槽や設備から発生した異物
  • 電流集中による局部的な異常析出

ニッケルメッキや亜鉛メッキでのザラつき・異物付着

ニッケルメッキ亜鉛メッキでは、陽極の溶解に伴って発生する不溶性の金属微粒子が原因になることがあります。この微粒子はスライムと呼ばれ、メッキ液中を浮遊して製品表面に付着すると、そのままメッキ皮膜に取り込まれ、突起状のザラになります。

鉄素材への銅下ニッケルメッキ:異物付着・腐食 100倍拡大画像
鉄素材への銅下ニッケルメッキ:異物付着・腐食 100倍拡大画像

銀メッキで発生するブツ・ザラつき

銀メッキでは、メッキ液中の金属微粒子や異物、製品から持ち込まれたプレスカス、切粉、研磨粉などが皮膜に取り込まれ、ブツやザラつきとして現れる場合があります。また、製品の角部や先端部に集中して発生している場合は、電流密度が高く、局部的な異常析出が起きている可能性もあります。主な対策は、メッキ液の循環ろ過、槽内の清掃、製品の洗浄、投入前の異物確認、電流密度や製品配置の見直しです。 銀メッキにぶつ(突起・ザラつき)が発生する原因と改善方法 

ザラ不良への主な対策

  • アノードバックや陽極袋を適切に使用する
  • メッキ液を連続ろ過する。ろ過精度やろ過能力を見直す
  • メッキ槽内を定期的に清掃する

製品に付着して持ち込まれる異物

被メッキ物に付着して持ち込まれた固形物汚れ、浴槽の破損から生成された金属化合物汚れ、あるいは外気や周辺雰囲気から入り込んだ汚れなどの陰極での共析による原因も考えられます。前工程で製品に付着した研磨粉、金属粉、油分、ほこりなどが、メッキ槽へ持ち込まれることでもザラが発生します。また、浴槽や配管の劣化によって発生した異物や、作業環境から侵入したほこりが原因になる場合もあります。

真鍮素材に銀メッキ加工:素材のバリ付着
真鍮素材に銀メッキ加工:素材のバリ付着 バリにメッキがされています。
真鍮素材のバリ画像(メッキ前)
真鍮素材のバリ(異物)画像(メッキ前)

持ち込まれる異物への対策

  • 前処理工程の洗浄を徹底する
  • 製品をメッキ槽へ投入する前に外観を確認する
  • 水洗槽・メッキ槽・配管を定期的に洗浄し、メッキ液の循環ろ過を強化する

メッキ液だけでなく、前処理、水洗、設備、作業環境を含めて原因を調査することが重要です。

無電解ニッケルメッキで発生するザラ・異物付着

無電解ニッケルメッキでは、メッキ液中で局部的な自己分解反応が起こり、Niボールと呼ばれるニッケル微粒子が生成されることがあります。この微粒子が製品表面に付着した状態でメッキされると、ザラや異物付着の原因になります。これを防止するには、メッキ液のろ過精度を高めるとともに、メッキ槽の定期的な硝酸洗浄と、洗浄頻度の適正化を行うことが重要です。

無電解ニッケルメッキで発生するザラへの主な対策

  • メッキ液を適切な精度でろ過する
  • メッキ液の過剰な反応を防ぐ。 槽壁に析出したニッケルを除去する
  • メッキ槽を定期的に洗浄する

無電解ニッケルメッキでは、ろ過だけでなく、液管理と槽内の清浄化を同時に行う必要があります。

アルミ素材へニッケルメッキ加工Ni 異物付着画像
アルミ素材へニッケルメッキ加工Ni 異物付着 100倍拡大画像

硬質クロムメッキで発生する花咲・突起・異物付着

硬質クロムメッキは厚付け加工を行うことが多く、製品の先端部や角部など、電流が集中しやすい部分に異常な突起が発生する場合があります。このブツブツ状の異常析出は「花咲き」と呼ばれます。

硬質クロムメッキ加工事例 刃物

硬質クロムメッキ加工:先端の尖ったポイントは花咲不良になりやすい。

メッキのコゲ  100倍拡大画像
メッキのコゲ(花咲) 100倍拡大画像
真鍮素材のニッケルクロムメッキ加工:異物付着 100倍拡大画像
真鍮素材のニッケルクロムメッキ加工:異物11.62μm付着 100倍拡大画像

硬質クロムメッキで発生する花咲・突起の対策

  • 電流密度を適正化する
  • 製品の形状に合わせて治具を設計する。 製品の配置や極間距離を調整する
  • 電流が集中する部分にかぶり止めを設置する。 補助極や遮蔽板を使用する

硬質クロムメッキでは、メッキ液の管理だけでなく、製品形状に応じた電流分布の調整が重要です。

硬質クロムした表面がザラつく(粗れる)原因と対策は?

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ザラ・異物不良を防ぐための品質管理

メッキ表面のザラや異物付着は、単一の原因ではなく、複数の要因が重なって発生することがあります。不良を防止するためには、次の項目を継続的に管理する必要があります。ザラが発生した場合は、発生位置、形状、発生頻度、特定の製品やロットへの偏りを確認することで、原因を絞り込みやすくなります。 コダマのメッキ加工の品質管理はこちら

  • メッキ液のろ過と循環 作業環境の清浄化
  • メッキ槽や配管の定期清掃
  • 陽極、治具、設備の点検
  • 製品形状に応じた電流分布の調整

メッキのザラや品質不良に関するご相談はこちら

 

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この記事の技術監修者:株式会社コダマ 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上

メッキの記事の技術監修者 特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士 実務経験30年以上・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘
特級めっき技能士

めっき加工の実務経験は30年以上。金メッキ、銀メッキ、スズメッキを中心とした工業用表面処理について、加工条件の検討、品質管理、不具合対策、技術相談に携わってきました。

大学卒業後、電子部品のめっき加工を得意とする東京都内のめっきメーカーで、金・銀・スズ・ニッケル・銅メッキの加工技術と品質管理を学びました。その後、株式会社コダマにて、製造現場、品質保証、営業、技術提案を経験しています。

保有資格

  • 特級めっき技能士 ・ 毒物劇物取扱責任者 ・ 公害防止管理者 水質関係第2種

主な専門分野

  • メッキ不良の原因調査と改善提案
  • メッキ液のろ過と浴管理  ・ 各種メッキ別のザラ、突起、異物付着対策

本ページでは、メッキの品質不良 ざら・異物付着が発生する原因と対策について、技術的な内容を確認・監修しています。

最終確認日:2026年8月4日

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