硬質クロムメッキのアノードとは?鉛合金電極・過酸化鉛・クロム酸鉛の管理を解説

硬質クロムメッキにおけるアノードの役割

硬質クロムメッキでは、メッキする品物を陰極、アノードを陽極として通電します。アノードは外部回路から電流が流れ込む電極で、メッキ浴中の電流分布をつくる役割があります。品物の形状やアノードの配置によって、メッキの付き回りや膜厚分布が変わります。そのため、硬質クロムメッキでは、メッキ液の管理だけでなく、アノードの材質、形状、配置、表面状態の管理も品質安定に関わります。

 

硬質クロムメッキでは、品物を陰極、アノードを陽極として通電し、メッキ皮膜を形成します。アノードは単なる電極ではなく、電流分布、メッキの付き回り、膜厚の均一性、浴中の不純物やスラッジの発生にも関係する重要な設備です。

 

アノードの材質や表面状態、使用後の管理が不適切な場合、クロム酸鉛の生成、スラッジの沈殿、通電不良、膜厚ムラ、外観不良などにつながることがあります。この記事では、硬質クロムメッキで使われる鉛合金アノード、過酸化鉛、クロム酸鉛、鉛スラッジ対策について、めっき現場の視点から解説します。

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硬質クロムのサージェント浴で使われる鉛合金アノード

サージェント浴では、アンチモン6 ~8 %あるいはスズを4~7 %含有する鉛合金が用いられています。 鉛は軟らかく、 電導性も良くないため、 鉄や銅芯を入れた波形アノード(外部回路から電流が流れ込む電極)が市販されています。 フッ化物浴では、 鉛ースズ合金が用いられています。アノードはマイケル・ファラデーにより命名されて、ギリシア語で上り口を意味するAnodosに由来するそうです。

硬質クロムメッキ浴  電極

硬質クロムメッキ浴に吊られているアノード 

硬質クロム 電極

使用前の新品のアノード    メッキの品質管理・コダマの現場力

 

硬質クロムメッキ時は、 鉛アノードは表面が褐色の過酸化鉛になっていることが望ましく 通電せずにアノードをメッキ浴中に放置しておくと、 絶縁性の黄色のクロム酸鉛が生成し、 その一部は浴中に沈殿します。メッキを長時間使用しないときは、 アノードを浴から引き上げて 水洗しておきます。 近年では、 鉛スラッジ生成を抑制するため鉛クラッ ドのチタン電極や二酸化鉛被覆チタン電極も利用されています。  コダマ4コマ漫画劇場 アノードとかぶり止め

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硬質クロムのアノードを浴中に放置すると起こる問題

硬質クロムメッキを長時間使用しない場合、アノードをメッキ浴中に入れたままにすると、クロム酸鉛の生成や沈殿物の発生につながることがあります。そのため、長期間使用しない場合は、アノードを浴から引き上げ、水洗して保管することが重要です。こうした管理によって、スラッジの発生や通電不良、浴の汚染を抑えやすくなります。

 

硬質クロムのアノード管理が悪い場合に起こる不具合

アノードの材質、配置、表面状態、保管方法が不適切な場合、硬質クロムメッキでは次のような不具合につながることがあります。硬質クロムメッキは、浴成分や浴温だけでなく、アノード管理も品質を左右します。

・膜厚ムラ
・付き回り不良
・外観ムラ
・通電不良
・焼け
・ピット
・スラッジ混入
・浴汚染
・被覆力の低下
・寸法精度のばらつき

硬質クロムのアノードに関するQ&A

Q. 硬質クロムメッキのアノードとは何ですか?
A. メッキ浴中で外部回路から電流が流れ込む電極です。硬質クロムメッキでは、品物を陰極、アノードを陽極として通電し、メッキ皮膜を形成します。

Q. 硬質クロムメッキではどんなアノードを使いますか?
A. サージェント浴では、アンチモンを6〜8%、またはスズを4〜7%含む鉛合金アノードが使われます。フッ化物浴では、鉛-スズ合金が使われます。

 Q. 鉛アノードの表面はどのような状態が良いですか?
A. 硬質クロムメッキ時には、鉛アノード表面が褐色の過酸化鉛になっている状態が望ましいとされています。

Q. アノードを通電せずに浴中へ放置するとどうなりますか?
A. 絶縁性の黄色いクロム酸鉛が生成することがあります。一部は浴中に沈殿し、スラッジや浴汚染の原因になります。

 Q. 硬質クロムメッキを長時間使用しない場合、アノードはどう管理しますか?
A. 長時間使用しない場合は、アノードを浴から引き上げ、水洗して保管します。クロム酸鉛やスラッジの発生を抑えるためです。

 Q. 鉛スラッジを抑える方法はありますか?
A. 鉛クラッドのチタン電極や二酸化鉛被覆チタン電極などが利用されることがあります。鉛スラッジ生成の抑制を目的とした電極材です。

Q. アノード管理はメッキ品質に影響しますか?
A. 影響します。アノードの配置や表面状態が不適切だと、膜厚ムラ、付き回り不良、外観ムラ、通電不良、スラッジ混入などにつながることがあります。

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特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

職人が語るコラム 解説者

めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。

コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。

 

 

 

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