錫メッキ(スズ)と銀メッキの外観の見分け方のポイント

錫メッキ(スズ)と銀メッキの外観の見分け方のポイント

錫メッキ(スズ)と銀メッキは、どちらも銀白色の光沢を持ち、一見すると非常に似ています。見分けるポイントに注目すると見分けやすくなります。

スズメッキと銀メッキ外観比較
スズメッキ(左)と 銀メッキ(右)外観比較

 

特長項目 光沢錫(スズ)メッキ 光沢銀メッキ
色目(トーン) やや青みがかった銀色(クールな白) やや黄みを帯びた柔らかい銀色(ウォームな白)
光沢感 やや鈍い光沢(クリアではあるが少し曇る) 鏡のような強い反射・高い鏡面性
経年変化(変色) 時間とともに暗く鈍くなる(酸化しやすい) 空気中の硫黄分で黒ずみやすい(硫化)
触感・感触 ややざらつきやすく、薄い膜感がある より滑らかで重厚な質感
印象 実用的で工業的な印象 高級感があり装飾用途も多い

見分ける際の実践ポイント

  • 自然光や白熱灯の下で比較すると、銀メッキの方が暖色っぽく見える傾向があります

  • 軽く指紋をつけてみると、銀メッキは皮脂で少し曇ることがありますが、スズメッキは比較的変化しにくいです

  • 長期保管品なら変色具合を見て判断:銀は黒ずみ(硫化)、スズはくすみや灰色化(酸化)

 

補足:より正確な判別法

  • 化学反応試験:銀は亜硫酸ガスや硫黄に敏感に反応して黒変します。スズは変化が少ないです

  • XRF(蛍光X線分析)など非破壊検査機器を使えば、金属元素を正確に判定可能です

 

 

特級めっき技能士 児玉義弘
株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)

職人が語るコラム 解説者

めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。

コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。

 

 

 

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