金メッキ、銀メッキでは、猛毒のシアン化合物などを使用します。メッキでは、多くの化学薬品や 整流器、 加熱機器、 メッキ装置などを使用するので、間違った方法で使用をすると傷害や災害が起こる可能性があります。
・化学薬品類の取り扱いによる傷害
・メッキ装置および付属機器による機械による傷害
・電気機器による感電傷害,漏電による災害
・物品取扱い中の転倒などによる傷害
事故を起こさないために、ここでは、メッキ加工で使用する化学薬品の取り扱いについての安全衛生をご紹介します。
化学薬品類の取扱い
① 保護メガネ、保護マスク、ゴム手袋、ゴム長靴、 ゴム前掛、を着用して取り扱います。
②薬品の表示を確認し、暗い場所では作業しない。
③毒物、劇物は使用量と 年月日を記録して 定められた倉庫に入れ、倉庫は施錠しておきます。空になった容器は,水洗後に指定された場所に置きます。
④薬品を取り扱う場所は、水洗可能で通風のよい場所で行います。危険物を取扱う場所には消火設備を設置します。
⑤固形物を砕くときは、厚手のビニールシートを被せて砕くとよいです。
⑥シアン化合物は、酸と化合すると猛毒のシアン化水素を発生するので, 酸類を近付けてはいけません。
⑦濃硫酸を水で薄めるときは、多量の水の中に濃硫酸を少しずっ加えて、 時間をかけてゆっくり行う。発熱するので危険です。
⑧化学薬品類を取り扱うためには薬品の化学知識が必要であり、薬品の性質を調べてから取り扱うように心掛ける。
⑨ポンプ類、運搬具などの安全な用具を利用し、無理をしてはいけません。
⑩薬品が顔にかかったり、眼に入ったときには、素早く十分な清水で連続して5分間以上水洗します。その後すぐに医者の処置を受けます。
参考文献:初級めっき 丸山清 著