メッキ加工することで、様々な機能を付与することが出来ます。樹脂、ゴム、塗装皮膜などは、紫外線により劣化してきますが、これらの材料をメッキ加工すると、紫外線から守ることが出来ます。耐候性が優れていると表現されています。紫外線により脆くなったり、色か褪せたり、さらには小さなクラックが入ったりする劣化という現象を引き起こしてしまいます。
メッキは、プラスチックの紫外線劣化を防ぐ有効な手段の一つであり、さらには高級感という価値も付与できることから、屋外で使用される製品を中心に広範囲の分野で使用されています。
一般汎用品の多くにプラスチックが利用されています。そして強度などの物性が金属よりも高い値をもっエンジニアリング樹脂も広く用いられ、そのほとんどの素材に表面処理を施しています。自動車産業界では、これらプラスチック材料を採用することにより、金属を使用することに比べ、大幅に軽量化が図られています。
車のエンブレム メッキで耐候性 向上
省エネルギーのために、プラスチックとメッキが切っても切れない関係にあります。とくに、フロントグリル、エンブレムなどは屋外の紫外線にさらされるためにメッキが大変有効な手段のひとつです。塩化ビニール製の雨どいかあります。メッキしないと数年すると紫外線により劣化しますが、銅メッキすると紫外線劣化を防止でき長期間使用できます。
女性の化粧品にすべり性をよくするために微細なナイロン球が混入されています。このナイロン球に銀メッキすると、女性の大敵である紫外線を防止できるそうです。
このようにメッキすることにより、樹脂の紫外線劣化を防止でき、長寿命化が図られています。
参考文献:トコトンやさしい 機能めっきの本 松村宗順・榎本英彦 著
![]() 株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種) |
職人が語るコラム 解説者めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。 コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。
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