サージェント浴では、アンチモン6 ~8 %あるいはスズを4~7 %含有する鉛合金が用いられています。 鉛は軟らかく、 電導性も良くないため、 鉄や銅芯を入れた波形アノード(外部回路から電流が流れ込む電極)が市販されています。 フッ化物浴では、 鉛ースズ合金が用いられています。アノードはマイケル・ファラデーにより命名されて、ギリシア語で上り口を意味するAnodosに由来するそうです。
硬質クロムメッキ浴に吊られているアノード
使用前の新品のアノード
硬質クロムメッキ時は、 鉛アノードは表面が褐色の過酸化鉛になっていることが望ましく 通電せずにアノードをメッキ浴中に放置しておくと、 絶縁性の黄色のクロム酸鉛が生成し、 その一部は浴中に沈殿します。メッキを長時間使用しないときは、 アノードを浴から引き上げて 水洗しておきます。 近年では、 鉛スラッジ生成を抑制するため鉛クラッ ドのチタン電極や二酸化鉛被覆チタン電極も利用されています。 コダマ4コマ漫画劇場 アノードとかぶり止め
![]() 株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種) |
職人が語るコラム 解説者めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ加工工場で小学生の時からラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。 コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。
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