図面や仕様書に「Au0.5」「Ni/Au」「Auメッキ」と書かれていて、意味や膜厚指定で迷うことはありませんか。Auは金を表す元素記号で、Au0.5は一般的に「金メッキ厚さ0.5μm」を意味します。Ni/Auと書かれている場合は、下地にニッケルメッキを施し、その上に金メッキを行う仕様を指すことが多くあります。図面に「Au0.5」「Ni/Au」「Auメッキ」と書かれていて、仕様判断に迷う場合は、図面や写真をお送りください。用途に合わせて、純金メッキ・硬質金メッキ・下地ニッケル・膜厚の考え方をご提案します。
金メッキは、コネクタ・端子・接点・リードフレーム・電極板など、電気的信頼性が求められる部品に使われます。ただし、膜厚・下地メッキ・素材・使用環境によって、適した仕様は変わります。図面の金メッキ指定で迷った場合は、図面や写真をお送りください。用途に合わせて、純金メッキ・硬質金メッキ・下地ニッケルの有無・膜厚の考え方をご提案します。
金は、古くから価値の象徴として知られる金属ですが、工業分野――とくに電子部品や端子の表面処理・メッキの世界では、きわめて実用的な機能材料として使われています。図面や仕様書に現れる「Au」という2文字には、品質・信頼性・コストが凝縮されています。
図面に書かれる「Au0.5」の意味
金の元素記号は Au。これはラテン語 Aurum(輝く金属)に由来します。
メッキ図面では例えば
-
Au0.5 → 金メッキ厚さ 0.5µm
というように、元素記号を用いて表記されることが多くあります。英語の Gold plating や Gold plate といった表現は、日本の製造図面ではあまり使われず、
-
Auメッキ
-
Ni/Au(下地ニッケル+金)
といった元素記号ベースの表記が一般的です。
金メッキの膜厚0.5μmで注意すべきこと
図面で「Au0.5」と指定されている場合、金メッキ厚さ0.5μmを求められていることが多くあります。ただし、0.5μmで十分かどうかは、部品の用途によって変わります。たとえば、単に導電性やはんだ付け性を確保したい場合と、コネクタのように繰り返し抜き差しされる接点部品では、必要な金メッキの種類や膜厚が変わります。
摩耗がある部品では硬質金メッキ、ワイヤーボンディングや金スズはんだ付けでは純金メッキが選ばれることがあります。また、素材が銅・真鍮・ステンレス・アルミ・チタンなどの場合、下地メッキや前処理の考え方も変わります。
図面に「Au0.5」と書かれていても、素材・使用目的・接触条件によって最適な仕様は異なるため、判断に迷う場合は図面を送ってご相談ください。
金の比重19.32とは?なぜ金は重いのか
金の比重19.32 ― 数字が語る「異常な重さ」
金の比重は 19.32。
これは「水=1」とした場合の密度比を表します。
比重とは、物体の体積あたりの質量を、基準密度と比較した数値です。
-
基準:4℃の水 → 1cm³ ≒ 1g(比重1)
-
単位なし(密度の比なので)
つまり、
-
比重 1より大きい → 水より重く沈む
-
比重 1より小さい → 水より軽く浮く
ということになります。
金の場合は 19.32。 これは鉄の 7.87 と比べても桁違いに重く、同じ体積なら鉄の約2.5倍以上の重さになります。
タングステンとの“ほぼ同じ重さ”が生んだ話
興味深いのは、タングステンの比重が 19.3 と金に非常に近いことです。
このため過去には
-
タングステンを芯に使い
-
表面に金メッキを施し
-
金の延べ棒に見せかける
という偽造事件が報告されたこともあります。
それほどまでに、金の比重は金属の中でも極端に大きいのです。
融点1064℃ ― 金メッキが安定する理由
金の融点は 1064℃。
比較的高い融点を持ちながら、
-
酸化しにくい
-
電気抵抗が低い
-
接触信頼性が高い
という性質を併せ持つため、
✔ コネクタ端子 ✔ 電子部品 ✔ 高信頼接点
などで金メッキが不可欠な材料になっています。
まとめ:Auという2文字に詰まった機能材料
図面に記される「Au」は単なる元素記号ではなく、
-
高密度(比重19.32)
-
高融点(1064℃)
-
優れた耐食性・導電性
という特性を持つ、信頼性を保証する機能材料の記号です。
メッキ厚さ0.5µmの指定一つでも、そこにはコスト設計・接触寿命・品質保証の思想が反映されています。

金メッキ(純金・硬質金)の特長や加工工程・事例などは、こちらでご覧いただけます
その他の金メッキのQ&A(問題解決事例 多数掲載)は、こちらをご覧ください
金メッキ加工の関連動画 金メッキ加工 これってどんな作業していますか?

金メッキのコラム:図面に現れる「Au」と、数字で知る金の重さ 監修:特級めっき技能士が監修
![]() |
監修者プロフィール:株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 特級めっき技能士・毒物劇物取扱責任者・公害防止管理者(水質2種)金メッキ・銀メッキ・スズメッキなど、工業用表面処理の技術相談に対応している。 めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ工場でラッキング作業・メッキ加工に関わる。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京のメッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。 コダマでは、現場、品質保証、営業を担当し、現在は採用活動、ブランディング、マーケティング戦略に注力している。わくわく!コダマ新聞(ニュースレター)も配信中! |

