金メッキの耐食性評価 

金メッキの耐食性評価について

金メッキは、その高い耐食性から、電子部品や装飾品など幅広い分野で利用されています。しかし、メッキの品質や使用環境によっては、耐食性が低下する場合があります。そこで、金メッキの耐食性を評価する様々な方法について解説します。

金メッキの耐食性評価の方法

1. 加速腐食試験

最も一般的な方法です。人工的に腐食環境を再現し、短時間で腐食の進行状況を観察します。

  • 塩水噴霧試験: 塩水を噴霧し、塩分による腐食を評価します。
  • 湿熱試験: 高温高湿の環境に曝し、汗や湿気による腐食を評価します。
  • CASS試験: 酢酸塩溶液を用いて、銅合金の腐食を加速させます。
  • 硫化水素試験: 硫化水素ガスに曝し、硫化による変色を評価します。

2. 電気化学測定

金属の腐食挙動を電気化学的に測定し、耐食性を評価します。

  • 分極曲線測定: 電位を変化させながら電流を測定し、腐食電流や不動態電位を求めます。
  • 電気化学インピーダンス分光法 (EIS): 交流電圧を印加し、得られるインピーダンスから腐食速度や皮膜の特性を評価します。

3. 外観検査

肉眼や顕微鏡を用いて、腐食による変色、ピット、クラックなどの発生を評価します。

4. 厚さ測定

メッキ厚の減少を測定し、腐食速度を評価します。

5. 引張試験

メッキの密着性や、腐食による機械的性質の変化を評価します。

金メッキの耐食性評価のポイント

  • 評価条件: 試験の種類、試験液の種類、温度、湿度、時間などを適切に設定する必要があります。
  • 評価項目: 外観、寸法変化、質量変化、電気抵抗など、評価する項目を明確にする必要があります。
  • 評価基準: 評価結果を定量的に評価するための基準を設ける必要があります。

金メッキの耐食性評価 硝酸ばっ気試験方法

金メッキの有孔度を硝酸蒸気の雰囲気中での暴露する試験方法

金メッキの硝酸ばっ気試験方法  操作手順は下記の通りです。

硬質金メッキ 加工事例  リング小

金メッキ加工事例

金メッキの硝酸ばっ気試験方法とは、金属及び非金属素地上に加工された工業用金メッキ及び金合金メッキの有孔度を硝酸蒸気雰囲気中で暴露する試験によって調べる方法です。

・使用器具 容器は試験片に適切な大きさのデシケーターを使用します。

・試験片の汚れをエタノール, べンジン, ガソリンなどの溶剤を用いて除去し乾燥させます。

・デシケーターの底部に適量の硝酸を入れ, 磁製板の上に試験片を載せてふたをします。

・約23 ℃で1時間放置する。

・試験片をデシケーターから取り出して, 静かに水洗いして乾燥する。

注) 酸化マグネシウムなどの微粉末を付けて試験面を強くこすってはならない。

判定方法 :試験面メッキのピンホールなどの欠陥から生じる腐食点数を観察し, 1 cm2当たりの腐食点数に換算して有孔度とします。

(JIS H8620 参照)

金メッキの耐食性向上策

  • 下地処理: 下地金属を適切に処理することで、メッキとの密着性を向上させ、耐食性を高めることができます。
  • メッキ条件の最適化: メッキ液の組成、電流密度、温度などを最適化することで、緻密で均一なメッキ膜を形成することができます。
  • 合金メッキ: 金に他の金属を合金化することで、硬度や耐磨耗性を向上させることができます。
  • 多層メッキ: ニッケルやパラジウムなどの下地メッキを施すことで、耐食性を向上させることができます。

金メッキの耐食性評価 まとめ

金メッキの耐食性評価は、製品の品質管理において非常に重要です。適切な評価方法を選択し、評価条件を厳密に設定することで、信頼性の高い評価結果を得ることができます。

 

 

 

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