アロジン処理・サーテック650処理とは? 特長や用途や加工方法の解説
アロジン処理とは、アルミニウム素材に施す化成処理皮膜です。アロジン処理は六価クロムを含有する皮膜で、クロム酸クロメートで黄金色で、自己修復性を持つ耐食性の高い皮膜になります。膜厚は1µm(0.001mm)以下の化成処理の皮膜になります。
サーテック650処理(SurTec 650)とは、アルミニウム・アルミニウム合金及びダイカスト素材に施す化成処理皮膜です。膜厚は1µm(0.001mm)以下の化成処理の皮膜になります。
- アルミ及びその合金上に優れた耐食性皮膜を形成します。中性塩水噴霧試験336時間以上。六価クロム皮膜に匹敵する耐食性、六価クロム皮膜にない加熱耐食性があります。
- 処理後の特性は導電性が得られます。処理時間により、皮膜厚みが調節でき、電気抵抗値も変化をつけることが出来ます。
- 塗装下地としても好適です。アルミと塗装の密着が良好になります。アルミと塗装の間にサーテック650処理皮膜を加工することにより、塗装の密着性が抜群にアップします。
- 接触抵抗値が低く、安定しています。
- MIL-DTL-81706-B 及び MIL-DTL 5541-F に適合
MIL におけるアルミニウム化成処理の基本的な要求事項
耐食性 :中性塩水噴霧試験で336時間を超える耐食性(対象材料:2024 材) MIL-DTL 81706B class1A
接触抵抗:<5mΩ/inch2(電極に2000 ポンド負荷の場合)(対象材料:6061 材) MIL-DTL 81706B class3
コダマは創業63年の伝統、安定と確実な成長を遂げる 大阪のメッキ・表面処理加工メーカーです。特級めっき技能士2名・一級めっき技能士5名・二級めっき技能士9名が在籍しています。アロジン処理やサーテック650処理(SurTec 650)ならお任せください。初めての方も気軽にお問い合わせください。 | ISO9001・14001認証取得工場 | アロジン処理・サーテック650処理(SurTec 650)についての概要、メリットとデメリット、アロジン処理の反応機構、特性、用途、製品事例などをご紹介します。
アロジン処理・サーテック650処理(SurTec 650)加工事例
アロジン処理 特長 | サーテック650処理 特長 | 対応可能 最大サイズ・素材 | 加工工程 |
加工事例 | Q&A |
アロジン処理の特長
アロジン処理のメリット
アロジン処理とは、アルミニウム素材に施す化成処理皮膜です。六価クロムを含有する皮膜です。アロジン1200番の外観はクロム酸クロメートで黄金色で、自己修復性を持つ耐食性の高い皮膜になります。膜厚は1µm以下の化成処理の皮膜になります。
導電性あります。航空機部品などの精密部品でクロメートの色むら(干渉色)でお困りではありませんか。通常は、クロメートした特徴なので問題ではないのですが、できる限り均一な黄色の処理可能です。ただし、ダイカスト素材は巣の影響により、未着やムラが発生する場合がございます。 用途はロボットアームの下地処理など ・MIL-DTL-5541 に適合
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アロジン処理のデメリット
皮膜は柔らかいので、傷がつきやすい。取り扱いに注意が必要です。表面に有害物質の六価クロムが付着しているので溶出すると環境汚染の原因になるので注意が必要です。
サーテック650処理(SurTec 650)の特長
アルサーフ650処理(SurTec 650)とは、アルミニウム・アルミニウム合金及びダイカスト素材に施す化成処理皮膜です。膜厚は1µm(0.001mm)以下の化成処理の皮膜になります。 アルミニウムおよびアルミニウム合金用3価クロム化成皮膜。導電性はあります。アルミニウム合金、鋳物、鍛造品の表面に耐食性のある化成皮膜を生成します。環境負荷物質(六価クロムを含まない)三価クロムタイプ(サーテック650処理)がオススメです! ・QPL認定 航空産業に好適です ・無塗装状態の表面でも防食性が高い(中性塩水噴霧試験336時間以上) ・皮膜は傷つきやすいので、取り扱いに注意が必要です。 |
サーテック650処理 長所
① アルミ及びその合金上に優れた耐食性皮膜を形成 |
② 処理後の特性は導電性 |
③ 塗装下地としても好適 アルミと塗装の密着が良好になります。 |
④ 接触抵抗値が低く、安定 |
⑤ MIL-DTL-81706-B 及び MIL-DTL 5541-F に適合 * MIL におけるアルミニウム化成処理の基本的な要求事項 |
アロジン処理・サーテック650処理 可能な最大対応サイズ
処理可能サイズ: 縦400mm ×横400mm× 深さ1000mm
アロジン処理・サーテック650処理 対応素材 アルミニウム・アルミニウム合金及びアルミダイカスト素材 |
アロジン処理・サーテック650処理 技術力
環境を考えたご提案 アロジンからサーテック650処理へ
昨今の環境問題で大手メーカーは六価クロムフリー対応の製品を要望されています。コダマでは、環境に優しいサーテック650処理をオススメさせて頂いています。皮膜は傷つきやすいので、取り扱いには注意が必要です。アロジン処理・サーテック650処理は剥離・再処理の加工も可能ですので、アロジン処理からサーテック650処理への変更もできます。 |
サーテック処理の650写真 |
アロジン処理・サーテック650処理 加工工程
1 脱脂(素材:アルミニウムA5052) | 製品に付着している油汚れを取り除きます。 |
2 水洗 | 水洗工程は、前工程の薬品残りがないように洗い流します。 |
3 エッチング | エッチングの目的は製品表面を溶かして、凹凸をつけることで密着力をよくします。 |
4 水洗 | 水洗工程は、前工程の薬品残りがないように洗い流します。 |
5 デスマット | エッチングが溶かした後は、スマットと呼ばれる溶けたカスが残るので、それを除去します。 |
6 水洗 |
水洗工程は、前工程の薬品残りがないように洗い流します。 |
7 アロジン処理 又は サーテック650処理 | 水洗工程は、前工程の薬品残りがないように洗い流します。 |
8 純水洗 | 純水は水道水に含まれる様々なイオンを除去することが可能です。 |
9 エアー乾燥 | エアーガンで水分を吹き飛ばします。 |
10 乾燥炉 ラック処理orカゴ処理 |
完全に水分を蒸発させて乾燥させます。 |
発注する際の注意点
お問合せの前にお客様にご確認いただきたいポイントをご案内します。
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アロジン処理・サーテック650処理 解決Q&A
三価クロムのアロジン処理できますか |
ノンクロムのアロジン処理できますか |
アロジン処理の剥離、再加工ができますか |
アロジン処理とアルマイト加工はどこが違いますか |
化成処理と苛性処理の違いを教えてください |
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この記事の解説者:
めっき職歴30年以上 父が創業のメッキ工場で小学生の時からメッキ加工に関わる。夏休みにラッキング作業のお手伝いなど。大学卒業後は、電子部品のメッキ加工を得意とされる東京の大手メッキメーカーにて修行し、メッキ技術と経営ノウハウを学ぶ。 コダマ入社以来、現場、品質保証、新規営業を担当し、現在は新卒採用活動、新規事業の検討、戦略の立案などに注力している。 |