銀メッキの外観の違いで光沢、半光沢、無光沢の基準、決まりはありますか。 銀メッキのQ&A
- Q銀メッキの外観、光沢、半光沢、無光沢の基準はありますか また、外観によって機能的な違いはあるのでしょうか。
- A
銀メッキの「光沢・半光沢・無光沢」の外観は、主に表面の反射率や仕上がりの見た目によって区分されます。これは添加剤の有無、結晶構造、電流条件、浴組成などにより変化しますが、明確な工業規格で定量的に線引きされているわけではなく、実務上の目安として以下のように分類されています。
銀メッキの外観区分 目安:定性的な比較
光沢銀(平均反射率 >80%):光沢剤を添加し、鏡面のような高反射表面鏡のような光沢、はっきり映り込む
半光沢銀(平均反射率40~80%):軽微な光沢剤、または低電流密度などで成膜ぼんやりと反射する、やや鈍い光沢
無光沢銀(平均反射率 <40%):光沢剤なし、微細結晶構造、マット仕上げ白く粉っぽい、拡散反射
外観を決める要素
光沢剤 有機添加剤の有無で外観が決定される(光沢剤あり → 高光沢) 結晶構造 光沢銀は緻密で微細、無光沢は粗く多結晶(白っぽくマット) 電流密度 高電流:光沢出やすい/低電流:無光沢や粗化傾向 浴の種類 シアン系浴では広範囲に調整可能、ノンシアン系では調整幅が狭いことも 添加物の管理 長期使用で光沢剤が分解・蓄積すると仕上がりが安定しない 銀メッキ加工事例 ナット 無光沢銀 純度99.9%
機能面の違いですが、例えば、弊社では光沢外観の硬質銀メッキと半光沢(パール調)外観の銀メッキがございます。機能的な違いは、めっき皮膜硬さの違いがあります。光沢の方が硬く、耐摩耗性に優れています。
SUS 六角ナットM8 硬質銀メッキ加工事例 全面メッキ処理 ネジ部のみ 銀メッキ加工もご対応可能
導電性は添加剤の種類や膜厚、硬さによって影響されます。よろしくお願いします。