銀ろう付け後に銀メッキは可能?密着不良の原因と対策

銀ろう付け後に銀メッキは可能?密着不良の原因と対策

Q銀ロー付け(銀ろう付け)された製品に対して、その上から銀メッキを施すことは可能でしょうか?品質や密着性に問題はありませんか?
A

銀ろう付け後の製品にも銀メッキは可能ですが、フラックス残渣や酸化スケールを十分に除去する前処理が重要です。コダマでは銀ろう付け部周辺で銀メッキの未着・外観不良が生じた事例を確認し、酸洗い、研磨、ブラスト、活性化などの前処理を検討しています。

ろう材、フラックス、母材、加熱条件、接合部の隙間によって前処理条件が変わります。量産前に試作で密着性と外観を確認することを推奨します。

銀メッキ加工の種類・対応素材・膜厚・対応サイズについては「銀メッキ加工の総合ページ」をご覧ください

銀ろう付け後に密着不良が起きる主な3大原因:

① フラックス(残渣)の残留: ガラス状に固まったフラックスが通常の酸洗いでは落ちにくい。

② 熱によるスケール(強固な酸化皮膜)の発生: ろう付け時の加熱で母材・ろう材表面に皮膜が形成される。

③ ピンホール・空隙(ブローホール)への液溜まり: ろう付け部の微細な穴に前処理液や酸が残り、後から滲み出て膨れを引き起こす。

株式会社コダマにおける対策・解決アプローチ

適切な脱フラックス処理・ホーニング(ブラスト)作業、酸洗い・活性化工程の最適化(素地に応じたエッチング)、ストライクメッキ(予備めっき)による密着性の強化

 

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硬質銀メッキ加工 電気接点部品

銀メッキ加工事例 接点製品

銀メッキ加工前に、次のような状態が残っている場合は注意が必要

・フラックス残渣
・加熱による酸化皮膜や黒いスケール
・ろう材の過剰な流れ
・焼けや炭化物
・研磨剤や油分
・接合部の隙間に残った薬品や汚れ

これらを十分に除去せずに銀メッキを行うと、外観不良や密着不良の原因になります。

銀ろう付け後に発生しやすい銀メッキ不良

銀ろう付けされた製品では、次のような不良が発生することがあります。

銀メッキの未着

一部に銀メッキが析出せず、母材やろう材が露出した状態です。

フラックス残渣、酸化膜、油分などが表面を覆っていると、通電やめっき皮膜の析出が妨げられることがあります。

銀ろう付けされた製品に銀メッキ加工事例 銀メッキ未着 事例

銀ろう付けされた製品に銀メッキ加工
銀ろう付けされた製品に銀メッキ加工

写真の製品では、銀ろう付け部周辺に銀メッキの外観不良が確認されました。ろう付け部の周辺は、母材部分と比較して表面状態が複雑です。フラックス残渣、酸化物、ろう材の広がりなどが残っていると、通常の脱脂や酸洗いだけでは均一に前処理できない場合があります。一部に銀メッキが析出せず、フラックス残渣、酸化膜、油分などが表面を覆っていると、通電やめっき皮膜の析出が妨げられることがあります。

 

密着不良・剥がれ

銀メッキ皮膜が素地に十分密着せず、テープ試験、曲げ、組立、使用中の摩擦などによって剥がれる不良です。表面にフラックスや酸化膜が残っている場合、メッキ皮膜は汚れの上に析出するため、良好な密着性を得られません。

ふくれ

銀メッキ皮膜が、ろう付け部や接合部周辺で水ぶくれ状に浮き上がる不良です。接合部の隙間に前処理液や水分が入り込み、メッキ後に染み出すことで発生する場合があります。

シミ・変色

ろう付け部の周辺に、黒色、黄色、茶色などのシミや色ムラが発生する場合があります。酸化スケールの除去不足、前処理薬品の残留、水洗不足、接合部からの薬品の染み出しなどが原因として考えられます。

ザラつき・外観ムラ

ろう付け部に残った固形物、スケール、研磨粉などの上に銀メッキが析出すると、表面が粗くなったり、局部的な外観ムラになったりします。

銀メッキ不良を防ぐための対策

1.ろう付け後、早めにフラックスを除去する

ろう付け後のフラックスは、時間の経過や過熱によって除去しにくくなる場合があります。

使用したフラックスの種類に適した方法で、できるだけ早く除去することが重要です。

2.酸化スケールを除去する

フラックスを除去した後、表面に残った酸化膜や焼けを確認します。

製品の材質や形状に応じて、酸洗い、研磨、ブラストなどを使い分けます。

3.ろう付け部の段差や凹凸を整える

銀メッキは薄い皮膜であるため、下地にある段差、研磨傷、ろう材の流れ跡が外観に現れることがあります。

外観品質が求められる場合は、銀メッキ前に必要な研磨仕上げを行います。

4.接合部の隙間を確認する

毛細管状の隙間や袋状の部分があると、前処理液や水洗水が残留しやすくなります。

製品の向き、揺動、水洗時間、エアブロー、乾燥条件などを調整します。

5.試作加工で密着性と外観を確認する

銀ろう付け方法、母材、ろう材、フラックス、製品形状によって、適切な前処理条件は異なります。

量産前に試作を行い、外観、密着性、必要膜厚、接合部周辺の状態を確認することをおすすめします。

 

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技術監修:株式会社コダマ 専務取締役 児玉義弘 (特級めっき技能士/実務経験30年以上/毒物劇物取扱責任者/公害防止管理者 水質関係第2種) 本ページでは「銀ろう付け後に銀メッキは可能?密着不良の原因と対策」について、加工条件・品質管理・不具合対策の観点から技術内容を確認・監修しています。

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