銅への無電解ニッケルボロンメッキのムラ・モヤ|不良原因と対策

銅への無電解ニッケルボロンメッキのムラ・モヤ|不良原因と対策

Q無電解ニッケルボロンめっきを検討しています。他社では加工が難しいと断られました。対応できますか。また、どのような不良が起こる可能性がありますか。
A

株式会社コダマでは、銅・銅合金への無電解ニッケルボロンめっきに対応しています。無電解ニッケルボロンメッキは、一般的な無電解ニッケルリンめっきと比べて、めっき液の安定性や濃度、温度、pHなどの管理が難しい処理です。

また、良好な外観と密着性を得るためには、めっき液の管理だけでなく、素材の状態に合わせた脱脂・洗浄・酸活性化などの前処理が重要です。株式会社コダマでは、製品の材質、形状、加工履歴、表面状態を確認し、適切な前処理条件を検討したうえで加工します。

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無電解ニッケルボロンメッキ加工 外観不良 外観がモヤ 事例

不良の状態

無電解ニッケルボロンメッキ後の表面に、白く曇ったようなモヤと不均一な色ムラが発生しました。メッキ皮膜そのものは析出していましたが、正常な部分と比較すると、表面に白もや光沢や色調が均一ではありませんでした。脱脂・洗浄不足により、外観がモヤ状になった事例です。

銅素材(メッキ前)
銅素材(メッキ前)
銅素材の無電解ニッケルボロンメッキ ムラ・外観不良
銅素材の無電解ニッケルボロンメッキ(メッキ後) 無電解ニッケルボロンメッキ後に発生したモヤ・色ムラ

推定されるメッキ不良原因

今回の事例では、銅素材の表面に付着していた加工油、油分、汚れなどを、脱脂・洗浄工程で十分に除去できていなかったことが主な原因と考えられました。表面に油分や汚れが残った状態でメッキを行うと、メッキ液が素材表面に均一に接触せず、次のような不良につながる場合があります。

・モヤや曇り
・色ムラ
・光沢ムラ
・密着不良
・部分的な未析出
・ふくれや剥がれ

 

同じような外観不良でも、次のような要因が関係している場合があります。

・素材表面の酸化膜
・加工油や研磨剤の残留
・脱脂液の劣化や条件不足
・水洗不足
・酸活性化の不足または過剰
・前処理後の放置時間
・メッキ液の温度、pH、濃度の変動
・乾燥時の水滴や洗浄水の残留

原因調査では、素材、加工履歴、不良が発生した位置、不良発生率、処理条件などを総合的に確認する必要があります。

改善対策

今回の事例では、銅素材に適した脱脂・洗浄条件へ見直すことで、モヤ状の外観不良を改善しました。

主な対策は次のとおりです。

1.素材表面の状態を確認する

加工油、切削油、研磨剤、防錆油、酸化膜などの付着状態を確認します。

使用されている油の種類や、めっき前までの保管期間が分かると、前処理条件を検討しやすくなります。

2.脱脂・洗浄条件を見直す

汚れの種類や製品形状に応じて、アルカリ脱脂、超音波洗浄、電解脱脂などを組み合わせます。

穴、溝、袋形状などがある製品は、内部に油や洗浄液が残りやすいため注意が必要です。

3.銅素材に適した活性化を行う

銅表面に形成された酸化膜を適切に除去し、めっきが均一に析出できる表面状態に整えます。

4.各工程間の水洗を徹底する

前工程の薬品や汚れを次工程へ持ち込まないよう、水洗条件や製品の揺動方法を確認します。

5.めっき浴の状態を管理する

温度、pH、薬品濃度、析出速度、浴の安定性などを確認し、均一な皮膜が得られる状態を維持します。

特級めっき技能士のチェックポイント

モヤや色ムラが発生した場合は、不良部分だけを見るのではなく、次の点も確認します。

・不良が製品全体に出ているか、特定の場所だけに出ているか
・穴、溝、下向き面などに集中していないか
・同じロットの全数に出ているか、一部だけか
・めっき前の素材に変色や酸化がなかったか
・不良部分に油をはじいたような模様がないか
・水滴の輪郭に沿ったシミになっていないか

不良の発生位置や模様から、前処理、めっき、洗浄、乾燥のどの工程に原因があるかを絞り込める場合があります。

手直しは可能ですか

不良の程度や製品の寸法公差によっては、めっき皮膜を剥離して再めっきできる場合があります。

ただし、剥離工程による素材への影響、寸法変化、表面粗さの変化などを確認する必要があります。

手直しの可否は、次の情報を確認して判断します。

・素材の種類
・製品の形状と寸法
・必要なめっき膜厚
・寸法公差
・不良の発生範囲
・現在施されているめっきの種類

無電解ニッケルボロンめっきでお困りの方へ

株式会社コダマでは、銅・銅合金、鉄鋼、ステンレス、アルミなどへの無電解ニッケルボロンめっきを取り扱っています。

他社で加工を断られた製品、外観ムラが改善できない製品、前処理方法が分からない製品についても、まずはご相談ください。

図面、製品写真、素材、数量、希望膜厚、使用目的などをお知らせいただければ、加工の可否や推奨仕様を検討します。

不良品の調査をご希望の場合は、正常品と不良品の両方をご用意いただくと、比較調査がしやすくなります。

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