電解金メッキと無電解金メッキの違いとは 金メッキ加工のQ&A
- Q電解金メッキと無電解金メッキの違いを教えてください。加工された金の被膜に特性の違いはあるのでしょうか。
- A
電解金メッキとは、弊社では、硬質金メッキと純金めっきの取り扱いがあります。それぞれの特性の違いがあるので、下記をご覧ください。
硬質金メッキ(純度99.7%程度)とは、微量のコバルト添加物を含み、これらの共析物により金の特性を失うことなく、硬さは、150~170Hvと硬度が高くなり、耐摩耗性に優れています。純金メッキに対して硬度が2倍アップ、耐磨耗性は3倍アップします。コネクタ、スイッチ接点などに。
純金メッキとは、金純度99.9%は極めて純度が高く、熱、圧力、及び超音波をかけると容易に金線やアルミニウム線に接合可能、金スズ半田の濡れ性も良好です。ボンディング性に優れています。半導体部品に接合用としての用途や、IC部品、薄膜回路、電極などにも用いられています。
【電解金メッキ】
特徴:外部電源を使い、陽極と陰極の間で金を析出、通電できる部分にしかメッキできない。比較的高速処理が可能利点:コストが安い。処理速度が速い。厚膜にも対応可能(多層構造など)
欠点:被膜の均一性に課題あり(形状によって厚みムラ) 電気接点が必要(非導電性材料には不可)
選定のポイント:コスト重視 量産性 導電性・信頼性の最大化
電解 金メッキ加工事例
無電解金メッキとは、置換反応によるものと、自己触媒によるものがあります。置換反応のタイプは、還元剤を使用しない。素材が金メッキで覆われると反応が停止するので、薄い膜厚しか加工できません。置換金メッキは金と下地素材金属 とのイオ ン化傾 向の差(置 換反応)を 利用 したものです。自己触媒による無電解金メッキは、水素化ホウ素化合物やDMABを還元剤として用いることでメッキします。外部電源を使用することなく化学反応によって メッキするので、膜厚が均一です。用途は、BGA・CSP基板、セラミックパッケージワイヤボンディング実装向け電子部品、フレキシブル基板などに利用されています。
【無電解金メッキ】
特徴:電流を使わず化学反応で析出 自己触媒的に反応が進行(複雑形状にも対応) 配線基板などで下地Ni上によく使われる利点: 複雑な形状にも均一にメッキ可能 微細な電子部品・パッドへの適用に最適 非導電部品(セラミックや樹脂)にも対応可(下地処理必要)
欠点:コストが高い(薬液が高価かつ寿命短い)処理速度が遅め 浴液管理が難しい(析出の安定性に注意)
選定のポイント:微細形状・高精度部品・基板でのはんだ付け性