鋳物への硬質クロムメッキ加工できますか 硬質クロムメッキ加工のQ&A
- Q他社で断られたのですが、御社では鋳物への硬質クロムメッキ加工できますか。難しい理由は?
- A
鋳物に硬質クロムメッキ加工は可能ですが、鋳物の表面状態次第では、メッキの未着がでる可能性もございます。試作可能ですのでご評価いただければ幸いです。鋳物(例:FC・FCD・ADCなど)に硬質クロムメッキを施す際は、一般の鍛造鋼や機械構造用鋼とは異なる複雑な課題が多く存在します。これは鋳物特有の材質構造・表面状態・含有成分・多孔性などによるものです。
鋳物への硬質クロムメッキの主な課題
表面が多孔質・粗い :ピンホール・ガス残留・異物混入が多く、密着不良やガス膨れが発生しやすい
SiやAlなど不動態成分含有している: アルミ鋳物や一部FCDでは酸に強く、前処理(酸洗)が効きにくい
表面硬度が低く脆い : 加工キズや変形が起きやすく、研磨後の面粗度が不安定
化学的不均一性 : 微視的な析出物や介在物がメッキの均一性を妨げる
メッキ浴との反応 :鋳物中の成分(S、Pなど)がメッキ浴を汚染・劣化させることがある
加工時の注意点と対策
素材選定・前処理 : 鋳肌除去、ショットブラスト、機械加工面への限定が望ましい
脱ガス処理(ベーキング) : メッキ前に180~250℃で1~3時間の脱ガス焼鈍を実施。ガス膨れ防止
ストライクメッキ : 密着向上のためにストライククロム(薄膜クロム)またはストライクニッケルを施す
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