負けへんで!不況からの復活 社長奮戦記

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メッキ屋よっちゃんの化学探求への道
WEBマスターの
プライベート日記!
楽しかったことや
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自由に書いています。

装飾めっきから機能めっきへ、そしてインターネット

コダマ社長 21世紀のめっき戦略について 講演 平成16年2月10日(火)開催の大阪府鍍金工業組合と電気鍍金研究会共催 研究例会にて

<21世紀のめっき産業の戦略>をテーマに当社 代表取締役 児玉昌弘が講演した講演趣旨です。

講演内容は当社の今までの歩み・歴史を中心に話したもので社長のその時代の経営判断や苦悩など不況でも、人との出会いが契機となり、自分が変われば環境が変わる!負けへんで〜ストーリーです!

1、はじめに・・・。

はじめまして株式会社コダマの児玉昌弘と申します。よろしくお願いします。
コダマは大阪市・生野区にある従業員25名程の会社です。
生野区は大阪市の東南部に位置し、東大阪市に、接しています。
また人口密度は極めて高く、市内有数の過密区となっています。
外国人登録数は大阪市第1位で、区民の4人に1人は外国籍住民です。
生野区の産業は、個人経営の商店・工場が多いのが特徴ですが、
なかでも金属加工・ゴム製品関係の製造業が多く、代表的な中小企業の町です

2、これまでのコダマの姿

株式会社コダマの創業は1960年で当初は手動ラインのニッケルクロームメッキなどの
装飾めっきが主力事業でした。
1970年の大阪万国博覧会では公式メダルのメッキを手がけ、
その後も建築関連部品や自転車のギヤーにパールニッケルクロームを
エレベーター方式のラック自動機を導入し、
着々と装飾めっき分野で実績を上げていきました。


3、時代は動くもの

時代と言えばご存知の通り、1990年にバブル経済が崩壊し
1991年ソ連邦崩壊で冷戦構造が終わったのが大きな分岐点ではないでしょうか。
その当時はまだ自転車のギヤーにパールニッケルクロームを
エレベーター方式のラック自動機で大量に流していました。

7年前と何も変わっていません。
しかしバブル経済崩壊と同時に徐々に毎年売り上げが落ちているのです。
このまま、装飾部品のニッケルクローム中心のめっきだけを行っていれば、
価格競争だけで自らの首を絞めることになると、その当時、私は強い危機感を感じました。

この時、長男は大学生でした。息子を呼び家族会議を開きました。
息子に来年の学費は自分で払いなさい。君の学費を出す余裕はない。と宣告しました。
気ままに学生生活を送っていた息子にとってこれほど会社が追い詰められていたのかと、
息子は頭をハンマーでなぐられたくらい大変なショックを受けた。と後日話していました。



4、スタートのきっかけ(人・物・金・情報)

その苦しい時が機能めっきへの転換を思いたった時でした。
ちょうど息子が大学卒業の年、私はこのままでは潰れる。
「コダマを存続させるためには・・・」
どうすればいいか会社の方向性について藁をもすがる思いで
大阪市工業研究所の榎本先生に知識とお知恵をかりにいったのがキッカケです。

榎本先生は、「今までのめっきは防食や装飾のめっきが多かったが、
これからは機能めっきが伸びます。難しい製品でもあきらめず、
小さなサンプルをめっきしていくことにより、
きっと量産に繋がるので、是非、機能めっきに挑戦されたらどうでしょう。」

というアドバイスを頂きました。もう榎本先生の言葉を信じるしか選ぶ道はありません。
そこから「メッキで『機能』を創造する」という言葉を社内に掲げ
本気でやろう!と決意しました。

そしてやるからには中途半端はいけない。
当社のような小さな町工場では余分な場所などありません。
このまま自動機のニッケルクロームメッキのラインを残していたら
結局は中途半端な改革で終わると思い
一番の得意先で何百万かの売り上げがあった
自転車のギヤー部品のメッキをお断りにいき自動機を廃棄したのです。

いきなり来月から売り上げの半分を占める得意先がなくなるんです。
じっと我慢していても苦しいですが、赤字との闘い、資金繰りなど転換も相当の勇気がいりました。
しかしニッケルクロームメッキしか行ったこともなく機能めっきのことは右も左もわかりません。
手始めに先生は錫めっき、半田めっき、銀めっきを取り組めばどうでしょう。とアドバイス頂きました。


5、設備・仕事の転換は10年かかった。

何もわかりませんでしたが先生を信じ錫めっきの試作をはじめました。
しばらくすると知り合いから錫めっきで困っているので相談したい。と依頼がありました。
建築用のドリルネジで、打ち込み時のスピード(潤滑性)が欲しい。
今現状のものでは打ち込み時にネジが焼きついて折れるトラブルがあるので解決してほしい。というものでした。

最初は普通に錫めっきを行いましたが全く合格しません。
そこで試作を繰り返し、工程の変更と液組成を操作し合格することが出来たんです。
今でも錫めっきの売り上げの柱になっています。


そして人は、まず大学を卒業した息子をメッキ会社に1年預かっていただける会社を
榎本先生に相談し東京の株式会社三ツ矢さんでお世話になることになりました。
目的は技術の習得だけでなく、大きな会社の仕組みや社会での雰囲気を
味あわせたかったからです。
その折、少しして私も三ツ矢の草間社長にお礼に伺いましたが
社長は幅広い見識をもった人格者で息子もこの会社ならよき先輩、よき環境で
鍛えられ勉強になると確信しました。


また転換しようと本気になってはいましたが私の工場は2度移転して
やっと買った100坪弱の小さな工場でそれ以外資産はありませんでしたが
工場を担保に目一杯1億円借りることが出来、
その後は少しずつですが小さなサンプル試作から量産に繋げ
硬質クロムメッキ部門の新設やガラクロームメッキの開発に成功し設備の転換も
図ってきました。


6、情報(インターネットの活用)


中小企業のITへの取り組みが遅れを見せる中、
コダマは7年前、いち早くホームページを立ち上げました。


立ち上げ当初はウインドウズ95が出てまもなくでホームページは大阪市の助成事業で
企業のホームページを作成してくれると聞き申し込みました。


業者に全てお任せしてページを作成・管理して頂いたホームページでしたが
まだ発注者サイドにITへの取り組みが浸透していなかったこともあり、
問い合わせが受注に結びつくことはありませんでした。


そんな時に鍍金組合の事業でホームページ作成の講座があると聞き、
人任せではなくホームページを自作でリニューアルしようと始めたのが今のホームページの原点です。


インターネットを新規顧客獲得のツールとして活用したいと考えていましたが、
ホームページを自作で作ってはみたものの問い合わせはありません。
本当に問い合わせがないのは企業の取り組みが浸透していないためなのか?と考えました。


そこで、商工会議所に積極的に足を運び相談をしたり、
インターネット上に存在するあらゆるホームページにアクセスしたりと、
受注に結びつきそうなヒントを探し回りました。
わかったことは安易に作っただけのホームページは役に立たないということです。


そして打ち出したコンセプトは、「仕事が取れて儲けにつながるホームページ」
中小企業にも営業マンは必要だが、簡単には雇えない。
そこで、ホームページに営業マンの役割をさせたいと考え、
日々自社の「強み」を見つけては、コンテンツに反映させていきました。


今までのホームページは会社案内やカタログをそっくりそのまま掲載していました。
ホームページには、経営者の姿勢が出ます。


安易にホームページを作成したところで引き合いやお問い合わせが
やってくるはずがありません。お客様は何を求めているのか 
20名程度のコダマの場合、「自社の技術で特化した部分はどこか!」という
他社にない技術やノウハウの部分を絞り込むことから始めました。


どんな小さな会社でも強みはあります。うちにはたいした技術や設備は何もない。
というのはありません。技術を評価するのはお客様なんです。自分でたいした技術ではない。
と思う技術がお客様にとってかけがえのない技術かもしれないじゃないですか。
ないのは技術や設備や人ではなく情熱ではなかったのか。と考えました。


商売のこと、技術のこと、こだわっていること
文章にすることで多くの方に自分の思いが伝わり広がっていきます。


次に、思いを凝縮した自社ページに、どうやって見込客を呼び込むかというお話です。
まず結論から申し上げると、考えられる方法は3つあります。


・自社ページのアドレス(URL)を印刷物やメールなどで直接知らせる
・いろいろなホームページに自社へのリンクを掲載する
・Yahoo!(ヤフー)やGoogle(グーグル)などの検索結果で上位表示される


上2つは、こちらから働きかける形ですが、3つ目の方法では、見込客が
自ら「検索」という手間をかけて見に来てくれます。そのため、目的が明
確で取引に意欲的な方との出会いが期待できます。

だからヤフーやグーグルなどの検索エンジンで上位表示されることは大切です。
思いを込めたホームページでも見に来てくれる人がいなければ意味はありません。
自社の得意な加工技術で上位に表示されればチャンスは広がります。


検索されるための対策として
「上位検索されるホームページ」のポイントは、2点あります。


1、適切なキーワードを配置する必要があります。
当たり前のことですが検索されたいキーワードをページ内に適切に配置し、
さらにそのキーワードに関連する文章が掲載されていることが大切です。
ホームページ上にのっていない言葉は検索されません。


特にタイトルや見出しに使われている言葉は重要視されます。
株式会社コダマの場合は会社名にメッキという言葉が入っていないため
タイトルにメッキという言葉を入れています。


 2.関連サイトからのリンク数


同じようなキーワードを持つページからリンクされていることが大切です。
関連サイトからのリンク数が、自社サイトへの支持率と評価されます。
逆に、キーワードと無関係なサイトへのリンクは評価されません。


以上の点は、検索のシステムだけではなく、人が見てもわかりやすく、
専門性の高いサイトであることが理解できると思います。


したがって、「誰に何を伝えるのか」をきちんと念頭に置き、
自社の強みを整理して伝えることが、ホームページ作りにとって
一番大切なのことではないでしょうか。


7、ISOと後継育成


1)ISO認証取得をめざしたきっかけ


私の会社は、長い間、個人経営でやってきて
会社としての仕組みもなくずっと私の掛け声のもと
職人さんの永年にわたる技術とノウハウで、仕事をこなしてきました。
しかし、このままでいいのだろうか?とずっと考えていました。


職人さんが仕事出来なくなったらどうする?
世代交代をしていかないといけないことはわかってはいるが
若い人材の教育訓練は時間がかかる。
職人さんの細かいところの技術までどうやって残していけるだろうか?


また対外的にこういう問題が出てきました。


最近、よくお得意先さんから、書類の提出をもとめられるようになってきた。
書類1つ作るのも時間かかり、お客さんの監査もある。


作業の記録もきちっと取れていない。最終検査の記録はあるけど、
最初に製品をあずかった時の状態で、異常がなかったか記録していない。


以上のような、さまざまな課題がコダマにはありました。
そこで、最近よく耳にしていた、
ISOの話がメッキ組合のセミナーであると聞き参加しました。


ですが、まだまだ、大阪のめっき業界でも大手、
中堅のめっき会社しか、取得していない現状の中、


コダマでも取得できるのか?取得すれば、
会社が具体的にどう変わるのか?疑問点もあり、
いろいろな情報を集めました。


そうすると、今までコダマが今後の課題だと考えていた事が、
ISOの規格のなかに、含まれていることがわかったのです。


だったら、挑戦してみようじゃないか!
努力すれば、叶わざる事なし!

そのような思いで、決意いたしました。


キッカケ!なぜ認証取得を目指したのか?
それは、社内管理システムの構築、技術の標準化、
安定した品質をお客様に提供したい。
それがすべてでした。


セミナーでISOのことはある程度わかりましたが
実際に何を取り組むべきかどのような仕組みを作れば良いか
全く検討もつきませんでしたが


ちょうどその時分、同じ南支部の土井鍍金さんが
ISO9002を取得されたと聞き相談にいくと、
土井社長にISOに取り組む考え方や取得後の社員意識の変化を聞き
俄然勇気が湧いてきました。
そのことでISOに取り組む決意が固まり、
平成12年にISO9002認証取得へのキックオフ宣言をしました。


2)取り組みについて


仕組みを構築するにあたり当時ISOのコンサルタント会社に
依頼すると相場で年間5・6百万円かかりその金額を掛けるほどの余裕は
ありませんでした。そこで基本的にはコンサルタントいれず自力で取得を
目指し、わからない部分が出てきた時は土井鍍金さんに相談に行きました。


ある程度システムが構築されてきた時に、
大阪府中小企業支援センターで
ISOの専門の先生を企業に派遣して頂ける
助成金の制度があるのを聞いたので申し込みました。
大阪市が3分の1負担、国が3分の1負担、
コダマが残りの3分の1の8000円の負担で
マニュアルや規定類のチェックをして頂きました。


3)2年が過ぎて感じたこと


ISOの仕組みを通じ社員の品質意識が高まり、
今まで現場作業者は標準書の作成を得意としなかった為もあり
作業標準書の作成がされていなかったが、
ISOの品質マネジメントシステムの導入により
技能の部分についても、製品の形状、重さ、材質など様々な条件で細かなコツや勘を、
作業標準書などである程度標準化することが出来てきたのが最初の良かった点です。


しかし課題は現状の起こったことに対する処置が多く、
積極的な継続的改善や予防処置などがまだまだ少ないのが現状です。


今までのワンマン経営から役割と責任を与え
ISOを人材育成のツールとして利用し
社員ひとりひとりが自分で考え、
判断できる人材になってきたことがコダマの
ISO認証取得の最大のメリットではないでしょうか。


9、おわりに


はじめに申し上げました通りコダマはまだ、不況の中でトンネルの中にいるのは変わりがありません。今日はこれまでの歩みを通し、人との出会いが契機となり、自分自身の心が変えれば、環境が変わるという1サンプルをお話させて頂きました。つたない講演でしたが少しでも諸先輩方の参考になればこれ以上の嬉しいことはありません。ご清聴ありがとうございました。
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